私は不動産業界で長く働いてきました。

卒業後は新卒採用で大和ハウス工業に入社し、住宅営業の仕事をしていました。

赴任先は沖縄。

特に印象に残っているのは、新人時代の2年間の沖縄生活です。

平成9年から平成11年まで沖縄に赴任していたのですが、当時、現地に知り合いはおらず、公私ともに同僚や先輩５、6人と過ごしていました。

業績に関係なく固定でボーナスがあり、それを競うように使っては遊んでいました。

今考えると若気の至りですが、とても楽しかった思い出のひとつになっています。

その後も沖縄とは何かと縁があり、通算10年ほど沖縄で働くことになります。

ちなみに、妻も沖縄出身です。

大和ハウス工業で2年間勤務した後、父が営む工務店を手伝うために実家へ戻りましたが、戻ってそう時間が経たないうちに親会社が倒産し、父の会社も連鎖倒産してしまいました。

会社の後処理や父の自己破産手続き、夜逃げ同然に実家を出て家族でアパートへ引っ越しと、とにかく大変な時期でした。

当時は本当に人生が終わったと感じ、自分以外のすべての人が羨ましく思えていたものです。

ただ、親戚同士が争う中、意外にも付き合いのあった不動産屋さんが親切に面倒を見てくれるなど人の本性が見えた出来事でもありました。

今考えると、実家の倒産や破産も人生の岐路のひとつだったような気がします。

その後、平成11年からの5年間は福岡の大央という不動産会社に勤めていました。

そんなある日、沖縄の大和ハウス工業から「戻ってこないか」と打診があり、平成16年から妻と子ども２人を連れて再び沖縄で生活をすることになったのです。

平成25年には沖縄からの転勤で、今度は山口へ移動することになり、営業職としては一番濃密で本当にたくさんの経験を積むことができました。

山口ではハウスメーカーで住まいを建てる方が多く、「家ってこんなに売れるんだ！」と驚いたものです。

忙しくて大変だったのですが、取材されるような邸宅や複合病院を社内で担当できたことも今では楽しい思い出になっています。

そして、令和3年のお盆前に早期退職募集がありました。

検討できる期間はたったの２週間でしたが、私は思い切って早期退職制度に申し込むことにしました。

というのも、50代になっての住宅営業は難しいと感じていましたし、何よりも部署も縮小し続けていたからです。

それから令和4年から令和５年にかけて地元の不動産会社で務め、令和５年１２月よりアイル不動産を立ち上げることになりました。

これまでの経験や知識を活かし、皆様の失敗しない家選びをお手伝いできればと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。